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Hazuki Suzuki

Author:Hazuki Suzuki
MBA留学後(Duke Class of 2010)、外資系企業のIT部門で働いています。成毛眞氏主催の新刊本おススメサイト「HONZ」、毎日好評更新中です。何卒ご贔屓に!

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忘年会幹事は必読!『新バーテンダーズマニュアル』

『新バーテンダーズマニュアル』 花崎一夫、山崎正信、江澤智美、 福西英三(柴田書店)

新バーテンダーズマニュアル新バーテンダーズマニュアル
(2011/10/05)
花崎一夫、山崎正信 他

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HONZが発足してから11ヶ月、メンバー間で本代とともに右肩上がりで増え続けているのは酒量であろう。毎月の定例会、新刊本を持ち寄る朝会に加え、気付けば本を肴の夜会も恒例となり、こちらも今後ますます盛況となる気配。

さらに一同相当の飲み手だ。(甘党・下戸の内藤順は唯一の例外。) 私自身は晩酌の習慣もなく今まで付き合いでたしなむ程度、「このままではマズイ、何かその道の修行も必要か?」と思い始めた折に目に留まったのがこの本だ。

タイトルこそ「バーテンダー向けマニュアル」を謳ってはいるが、本書は酒類全般の入門書として最適だ。酒や酒場の起源に始まり、ワイン・ビール・カクテルなどそれぞれの酒類の歴史・産地・製造法、バー店舗の設備やバーテンダー必携ツールに至るまで、酒にまつわる広範なテーマの解説が格調高い文章で綴られている。

それにしても、ナカナカに読ませる本文。単なる説明に終始せず、決して飽きの来ないこの語り口はどうしたことか。改めて著者プロフィールを見ると、サントリースクール(2006年に休講)の元校長である花崎氏をはじめとする元講師陣が名を連ねている。

これだけのお歴々であれば、その知識もさることながら、巧みにエピソードを交えてのアルコール講釈はお手のもののハズ。かつて同校で繰り広げられた名物講義に聞き入る感覚で、酒のたしなみについて学べる一冊というわけだ。タイトルも、個人的には「マニュアル」というよりも「講義録」のほうがしっくりくる。

では本書を参考に、さっそく次回「HONZ夜会」に向けた予習を始めることとしよう。

お恥ずかしい話、HONZ夜会も会場選びでは方針変更を余儀なくされた。成毛眞の発案で毎月都内の蕎麦屋を巡り歩く予定であったが、初回で企画は頓挫する。自由参加でありながら皆の出席率の高さが災いし蕎麦屋で飲むにしては大所帯になってしまう上に、会は異様な盛り上がりを見せ、回りの客にも迷惑がかかってしまうことが判明したのである。(当日居合わせてしまった方々には、この場を借りてお詫び申し上げます。)

しかし、言い訳がましいようだが、酒場は人類の歴史とともにあり。飲めば盛り上がってしまう人間の習性は洋の東西を問わないようだ。本書によれば、酒場に関するもっとも古い文献は遡ること紀元前1800年、世界史の授業でお馴染み『ハンムラビ法典』である。古代バビロニア王国が制定した史上最古の成文法の条文にも

「もし、ビール酒場の女が、ビールの代金を穀物で受け取らず、銀で受け取るか、あるいは穀物の分量に比べてビールの分量を減らした場合には、その女は罰せられて、水の中に投げ込まれる」(108条)


と明記されていることから、当時すでに経済的な交換の原則に基づいた酒場が存在していたことは確かである。

また、酒場は世界的にも「バー(BAR)」というアメリカ起源の言葉で呼ぶのが一般的だが、その歴史を紐解けば、西部開拓時代の前線で営まれていた簡易居酒屋にたどり着く。こうした居酒屋では、ビールやウイスキーが計り売りされていたものの、酔っ払いの荒くれ男たちの中には、自分で酒樽に近づき勝手に飲むものもいた。

そこで経営者は、樽の前に客席と仕切るための横木(Bar)を設け、酔漢が近づけないようにした。横木はやがて横板へと変化し、次第に対面販売が行われるようになり、その業態の居酒屋がBARと呼ばれるようになったという。

なお、HONZの名誉のため申し添えておくと、たとえ我々は酔漢となろうとも店の酒を黙って飲み始めるようなことは誓ってしない。その点はご安心いただきたい。

HONZ夜会で学んだ教訓についてもう一言。今やレギュラーとなった麻木久仁子と同テーブルに着くには相応の覚悟が必要だ。勧められるまま嬉々として酌を重ねると、気付かぬうちに深酒をするハメになる。

実は麻木久仁子の加入を最も心待ちにしていたのは東えりかかもしれない。曰く「前から欲しかった、待望の女の子メンバー」だそうだ。何はともあれ、実力・キャラともに申し分ないことは、今までの投稿をご覧いただければ納得いただけることだろう。

通常の飲み会と同様、HONZ夜会の一次会でも私が主にいただくのはビール、ワイン、焼酎である。本書にもそうした酒は登場するが、バーテンダー向けということもありとりわけ洋酒全般にわたる記述が充実している。ブランデージンウォッカラムテキーラリキュールなど、名前を知ってはいるが産地・原料・製法を的確に言い当てられる人は少ないはずだ。

ウイスキーひとつとっても、5大ウイスキーでは

スコッチ・・・スモーキー・フレーヴァーが強く、エステルの華やかな香りと、ヘビーな重厚な味わいがある

アイリッシュ・・・穀物の穏やかな風味が特徴

アメリカン・・・内面を焦がした新樽に貯蔵するためオークの香りがある。華やかなエステル香があり、全般的に強く、重く、個性的

カナディアン・・・5大ウイスキー中もっとも風味が軽く、ライト&スムーズが特徴

日本・・・製法はスコッチの流れを汲んでいるが、スモーキー・フレーヴァーが少なく、スコッチに比べ、華やかな香り。味はマイルドでバランスがよく、ハーモニーがよい


と、ざっくりした特徴を併記しただけでも風味の違いが見て取れる。

酒と一言で言っても、これだけの豊富なバラエティーを前に、毎回「とりあえずビール」がスターターではいささか勿体無い気もしてくるというもの。私もメンバーに負けぬよう精進を重ね、飲む時々の気分やTPOに応じた酒を選び、色々な酔い方を楽しめるようになりたいものだ。

夜会も宴たけなわ、メンバーの近況報告が一巡し、豪州赴任中で参加できない久保洋介と、「HONZのせいで本の出費がかさむ」とTwitterfacebook上に苦情をお寄せいただく読者に同情を寄せつつ(しかしその手の話題がもっとも盛り上がる。皆様の反響が我々にとって何よりの励み!)、一次会はお開きとなる。

HONZの夜はまだ続く。二次会、三次会はその場の流れ次第。パーッと盛り上がれる店で新井文月が振付ダンスを披露することもあれば、知る人ぞ知る隠れ家バーで語らいながらまったりと飲み続けることもある。

さて、本書の巻末には計158のカクテルレシピが掲載されている。それぞれに名前の由来などのショートストーリーが添えられており、そんなレシピを読むのも詩的で趣があるものだ。本日の最後は、見た目も楽しく香ばしいこちらのカクテルで締めくくり。


SAMBUCA CON MOSCA
サンブーカ・コン・モスカ

[材料]
サンブーカ・・・1グラス
焙煎したコーヒー豆・・・3粒

[作り方]
リキュール・グラス、あるいはショット・グラスにサンブーカを注ぎ、焙煎したコーヒー豆を3粒浮かべ、火を付ける。20秒ほど炎をたて、消してから飲む。

[メモ]
・カクテル名は、イタリア語で「ハエ付きのサンブーカ」の意味。グラスに浮かぶコーヒー豆をハエにたとえてこの名が付いた。イタリア料理の後にふさわしい食後の飲みもの。火を消した直後は、グラスの縁が熱いので、しばらく冷ましてから飲むとよい。
・コーヒー豆は、噛んだときパリッと感じるフレッシュなものが、歯触りもよく味もいい。


ひとしきり盛り上がってようやく散会。しかし、気がつけばとうに終電は終わっている。

HONZ戦士に休息はない。明日の二日酔いに加え、朝会の選書に次回投稿記事のネタ探しと、頭の痛い問題が我々を待ち構えているのであった。(つづく)

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■『カクテル手帳』
カクテル手帳カクテル手帳
(2010/04/13)
上田 和男

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今回の副読本としてお勧めしたいのはこちら。それぞれのカクテルが、レシピ・アルコール度数・テイスト(甘口・辛口)といった基本データとともにカラー写真入りで紹介されている。装丁が手帳型なので携帯にも便利。これならばバーでの注文時に参照するのもアリだ。

同シリーズでは『ワイン手帳』 『洋酒手帳』 『日本酒手帳』 『焼酎手帳』といった酒類各種、『イタリアン手帳』 『すし手帳』 『焼肉手帳』『蕎麦手帳』 『喫茶手帳』の外食シリーズにとどまらず『般若心経手帳』なんてものまで!節操なく出しすぎでは、と突っ込みたくもなるが、使い勝手が良いことの証左とも言えよう。

■『居酒屋の世界史』
居酒屋の世界史 (講談社現代新書)居酒屋の世界史 (講談社現代新書)
(2011/08/18)
下田 淳

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文体は人を現すのだろうか、飲むほどに愉快度が増す栗下直也の選書。彼同様、「諸般」あって飲みに行けない方が、どうしても居酒屋が恋しくなったときに読むと良さそうだ。もちろん、文化史としても読み応え十分の一冊。

■『イスラム飲酒紀行』
イスラム飲酒紀行イスラム飲酒紀行
(2011/06/25)
高野 秀行

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秘密警察の目をかいくぐってでも、紛争の砲火の下でも飲みたいものは飲みたいらしい。HONZでの過去レビューはこちら。筋金入りの本読み・酒飲みである成毛眞らしい選書だ。

■『世界の酒』
世界の酒 (岩波新書)世界の酒 (岩波新書)
(1957/01/17)
坂口 謹一郎

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醸造学の世界的権威である坂口謹一郎先生の著作。以前『日本の酒』には触れたので今回はこちらを。酒に対する造詣と愛情とが文章から滲み出す。その味わいがたまらない。

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2011-11-28(Mon) 02:01| 書評| トラックバック 0| コメント 2

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